6.  共棲培養とは?

共棲(きょうせい)培養とは?

菌を人工的に増殖させることを培養といいます。

菌の培養方法として、分離させた微生物を1種類だけ培養することを純粋培養といいます。
現在の微生物/細菌学研究では、ごく一般的な方法です。

対して、複数の菌を一緒に増殖させる方法を共棲培養と呼びます。

「共棲培養」は言葉では簡単ですが、
ヒトの腸内と同じ菌の共棲状態を実現させるのは、大変高度で困難な培養技術です。

ちなみに、複数菌を培養したところで菌群が共棲状態とならなければ、「共棲培養」と呼ぶことはできません。
それはあくまでも「混合培養」でしかありません。

優秀な組み合わせの共棲培養においては、それぞれの菌の活性が上がり強さを増します。

腸内フローラにおいては、
腸内細菌がチームを作り共棲状態にてその力関係を維持したまま棲息しており、
その過程で作り出される物質がヒトの健康を決定することが解明されつつあります。

そして、ヒトの腸内フローラの営みに着目し、
腸内と同じ菌の共棲状態を人為的に再現する技術への取り組みが行われています。

腸内フローラが作り出す物質に限りなく近いものを体外でも生産するためには、
ヒト由来の腸内細菌を共棲状態にて培養した菌群をスターターにすることが絶対的条件になります。

 

共棲培養の定義
文献における「共棲培養」の定義は以下のとおりです。

人為的に2種類以上の乳酸菌を混合培養すると、
それぞれ単独の場合よりも育成が促進されることがある。
2種類の菌が共棲関係を有しているかどうかは、
2種類の菌株を同一の培地に接種し、
植え継ぎを繰り返しても常に一定の割合で両菌が存在しているかによる。
~乳酸菌研究集談会:編書「乳酸菌と科学の技術」より抜粋~

 

すなわち共棲培養は、善玉菌同士ならどんな組み合わせでも良いというわけではありません。

たとえば、AとBの2種類を一緒に育てようとしても、
時間とともにBの姿が消えてしまったり、
A・B双方がうまく育たない場合もあります。

したがって、数ある菌のうち、相性が良くて生育もよい組み合わせを探す必要があります。

上記の定義で述べられたとおり、
2種類の菌が共棲関係にあるかどうかは、
2種類の菌株を同じ培地(菌を育てる栄養源)で育て、
その一部を他の培地に移して育てることを繰り返しても
常に一定の割合で両菌が存在しているかによって判断されます。

ここにAとBの2種類の菌があるとして、
それを一緒に培養したとき、
Aが代謝(排出)した物質がBの成長を促し、
またBの代謝した物質がAの成長を促し、
お互いに助け合っていく、
という関係があるときに共棲関係が成立しているのです。

ある家族をイメージしてください。
相性の良い夫婦は結束が固く、
夫は妻に必要なものを生み出し、
妻は夫に必要なものを生み出す力を持っています。
そして互いの力を合わせてさらに大きな力を作り出します。

単独の力よりも、共棲によって生み出される力の方が強いのです。

@hiro
@hiro

共棲培養の利点は、異なる種類の菌が相互関係を築くことにより、
1種類で育てるよりも育成が促進され増殖力が強まることにあります。

タイトルとURLをコピーしました