3.  光岡知足博士によるバイオジェニックス論

「バイオジェニックス」とは何でしょうか?

それは腸内細菌の健康への影響および効果研究の第一人者である、
東京大学名誉教授の光岡知足先生が近年提唱された言葉です。

光岡先生の文献による定義では、バイオジェニックスとは、
直接または腸内フローラを介して
「免疫賦活効果、抗アレルギー効果、コレステロール低下効果、血圧降下、下痢改善、便秘改善、ガン予防、糖尿病予防、高脂血症予防、老化制御などに効果的に働く成分」
のことです。

そして、バイオジェニックスの代表格と言えるものが、「乳酸菌生産物質」です。

本来の乳酸菌生産物質は、乳酸菌が人の腸内で生産している物質、
すなわちビフィズス菌・乳酸菌などの善玉菌が人の腸内で日々作り出している、
人の健康を正常に維持させる効果のある物質のことです。

たとえば乳酸菌が「蚕(カイコ)」だとすれば、
乳酸菌生産物質は、それから生糸がとれる「繭(マユ)」のことです。

この乳酸菌生産物質には、
乳酸菌を用いて正常な腸内環境に近い条件の下、
体外で(具体的には研究室や工場で)作り出したものも含まれます。

バイオジェニックスには、他にも、
ビタミン、生理活性ペプチド、ポリフェノール、DHAなどの食品成分が含まれますが、
これらの機能成分はいずれも単一効果しかないものであって、
乳酸菌生産物質のような総合的な効果を持ち合わせておりません。

では、何故、そんなに効果のある物が、
世の中に広く利用されてこなかったのでしょうか?

安全性に関しては、
100年前にノーベル賞を受賞したメチニコフが「乳酸菌による不老長寿説」を唱えてから、
食経験上誰もが安全であるということは知っていますので、
まったく問題はありません。

実は、そこには意外な高い障壁があったのです。

それは学術界において、
「生きた乳酸菌の効果」に特化した研究が続けて来られたことにあります。

これは、研究初期の段階で、学術界が乳酸菌飲料メーカーと結びついてしまったからでしょう。
乳酸菌の効果を立証する研究でなければ、十分な資金を得られないという場合があったかもしれません。

そして、「プロバイオティクス効果」として多くの研究がなされてきました。

しかし、それは単に乳酸菌の効果を追究しただけのものですから、
「乳酸菌が人の体の中でどのように働くか?」を明らかにしたものに過ぎません。

その研究成果だけでは、「人の健康に効果的なものを作る」ことはできません。

現在では、「乳酸菌は生きていても死んでいてもその効果には変わりはない」
むしろ、「乳酸菌が発育するときに代謝物質として菌外へ放出する物質と、菌体成分自体に効果がある」という学術論が主流になっています。

バイオジェニックスの代表格である「乳酸菌生産物質」は、「人々の健康を守る効果のあるもの」としてなくてはならないものなのです。

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